■境界性人格障害(BPD)とは
境界性人格障害の方は、特徴的な対人関係の持ち方があります。素晴らしいと思っていた人を、ちょっとしたきっかけでとても悪い人だと思ったり、あるいはその逆に嫌いな人を、ちょっとしたことで突然良い人だと思い込んだりします。そしてこの「ちょっとしたきっかけ」になることは、本人にとっては「見捨てられた」「裏切られた」と感じられたりすることが多いようです。また他人から見ると不思議に思うようなことで強い怒りを感じたりすることもあります。
自分自身に対するイメージも、他者に対してと同じように揺れ動きます。やはりちょっとしたきっかけで自分のことを好きになったり嫌いになったりすることを繰り返します。将来の自分を思い浮かべたりすることが難しくなり、自分というものがわからなくなります。それによって自分が無い感じや、虚しさを感じたりします。
感情の状態も不安定で、突然強い不安に襲われたり、イライラしたりすることが続きます。そして時に自分を傷つけるような行為、リストカットや薬物乱用、自殺未遂を行ったりします。その他にも様々な衝動的な行為をすることもあります。
参考文献
kernberg,O.F. 1984 Severe Personality Disorders: Psychotherapeutic Strategies. Yale Universities Press.
(西園昌久監訳 1996 重症パーソナリティ障害‐精神療法的方略 岩崎学術出版社)
成田善弘 2004 青年期境界例(改訂増補) 金剛出版